<aside> 🎄 これは Fediverse Advent Calendar 23日目 の記事です。
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こんにちは，烏丸ゆい (@[email protected]) です。この記事では今年一年の Chillout Chat・Chillroma の運営について，技術的な側面から振り返っていきたいと思います。
Chillout Chat（略称：チルチャ）は2021年3月にオープンした Mastodon サーバーです。「音楽好きが集まり，みんなでチルアウトできる場所」をコンセプトとして，やなぎぃ氏 (@[email protected]) と共同で運営しています。
Chillroma（チルロマ）はチルチャの姉妹サービスである Pleroma インスタンスです。同じくやなぎぃ氏と共同で運営しており，チルチャがメンテナンス等で利用できない場合の避難所として使われることを想定しています。
チルチャのソフトウェアが最後に更新されたのは昨年11月のことで，v3.4.3 ベースのソフトウェア (sakura-tel/mastodon) が現在も稼働しています。しかし，Mastodon 本家リポジトリ (mastodon/mastodon) の最新リリースは今年11月の v4.0.2 であり，直近の様々な変更が取り込まれていない状態となっています。
具体的には，v4.0.0 の時点で UI の大きな変更がなされており，テーマカラーやトップページのデザインなど，様々な部分がリニューアルされています。一方で，今回のように UI が全体に渡って大きく更新されるのは久しぶりのことであり，多くのユーザーにとって慣れ親しんだデザインが変わってしまうという問題もあります。そのためか，現時点で v3 から v4 にアップデートしている日本語圏のサーバーは少数派であるように思われます。
チルチャでも v4.0 への追従に向けて作業を行っていました。現行のブランチで本家の変更をマージするのは難しいと判断したため，他の事情も相まって新しいリポジトリ (yui87/mastodon) で準備を進めることになりました。先月中には v4.0.0rc3 にアップデートする準備がほぼ完了しましたが，本番環境に適用させるかどうかについては保留となっています。その理由は先述した通り，慣れ親しまれた UI の存廃や，その他の破壊的変更の受け入れについて慎重に検討する必要があるからです。
Chillroma ではこれまでバニラ（手を加えていない状態）の Pleroma v2.4.2 を使用してきました。しかし，ここ1年ほど Pleroma 本家リポジトリの開発が停滞しており，現在確認されている不具合などの修正に時間がかかると見込まれます。そのため，fedi.absturztau.be やpleroma.atsuchan.page などで採用されている Akkoma への移行に向けて準備を進めることになりました。
Akkoma では MFM (Markup language For Misskey) やカスタム絵文字によるリアクションの対応など，Misskey との互換性を強化する機能が追加されているほか，UI の細かな改良や Elasticsearch のサポートなどの改良がなされています。
移行時におけるトラブルを最大限防ぐため，普段のソフトウェア更新に伴うメンテナンスよりも慎重に作業を進める方針です。今年中に移行を行う可能性は低いですが，遅くとも来年春ごろまでには作業を完了させたいと考えています。
ここからは来年の目標について書いていきたいと思います。こうして振り返ってみると，今年はチルチャ・チルロマにおける技術的な動きが停滞しているように思えてしまいます。今年は2月の高校入試に始まり入学準備，学校行事の運営など，何かと本業＝高校生として忙しい日々が続いてしまいました。来年も同じような生活が続くと思われますが，うまく時間を見つけてサービスの運営にも力を注いでいきたいところです。
技術的な話から逸れてしまうため本記事では取り上げませんでしたが，秋に実施された利用規約の改定も今年における大きな変化であるといえます。安心して「チルアウトできる場所」であり続けるために，今後も定期的にモデレーション体制を見直し，適切な運営ができるよう取り組んでいきます。
また，サービスの安定した稼働や，万が一のデータ損失に備えたバックアップ体制も，安心して利用できるサービスを築くために必要不可欠な要素です。サーバーの状態監視強化やバックアップの見直しについては，来年以降も最優先で取り組むべき課題として変わりありません。